医療機器を積み、医師や看護師らが搭乗して救急現場へ飛ぶドクターヘリについて、県は五月中旬から、大野市和泉地区を対象に岐阜県との共同運航を始める方針を固めた。滋賀県と共同運航する嶺南地域に続いてカバー範囲が広がり、救急医療態勢の強化につながる。

 県は本年度の早い時期に岐阜県と共同運航を始めたいとの意向を示していた。救急車とヘリが接続する「ランデブーポイント」は、グラウンドなど十一カ所の選定を終えた。大型連休明けにも岐阜県側と協定を結ぶ。

 ヘリは、岐阜県が持つ機体を使用する。基地病院は岐阜大医学部付属病院(岐阜市)。和泉地区では急病のほか、県境をまたぐ自動車の交通事故での出動が見込まれる。過去の事例を参考に、県は年間十件程度の需要があるとみる。

 現在は和泉地区の患者を福井市の主要病院に救急車で搬送した場合、七十分かかる。ドクターヘリは二十~二十五分で現場に到着することが可能。医師が治療を始めるまでの時間が大幅に短縮される。

 ドクターヘリを巡っては、福井国体が開幕した昨年九月二十九日に嶺南地域で導入された。関西広域連合が滋賀県と京都府南部で運用している「京滋ドクターヘリ」を共同運航する形。四月一日時点で福井県への出動実績は九件だった。

 県は本年度、新たに石川県との共同運航に向けて協議を始める方針。このほか県単独での運航についても検討を進めている。(記事より。)


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